2008年03月17日

キイチゴってスーパーに売ってるんだろうか

キイチゴの香り成分が育毛と美肌によいらしい.

という記事が昨日の中日新聞朝刊の一面に載っていた.

なんでも,すでに育毛効果があると確認されていたカプサイシンにキイチゴの香り成分の構造が似ていたので, 試しにハゲに塗ってみたら毛が生えてきたということらしい.

「成長ホルモンとIGF研究」という雑誌の電子版に論文が載っているとのことなのでGoogle先生に尋ねてみたが見つからない.

当たり前だ.アメリカの雑誌に日本語のタイトルが付いている訳が無い.中日新聞の記者が変な気をきかせて日本語に直訳したのだろう. 正しくは「Growth Hormone & IGF Research」.マジ直訳だな. 下手に意訳されても困るが.

ラッキーなことに「Growth Hormone & IGF Research」 がうちの大学から読めるオンラインジャーナルの中にあったので早速該当の論文を落としてみた.論文のタイトルは「Effect of topical application of raspberry ketone on dermal production of insulin-like growth factor-I in mice and on hair growth and skin elasticity in humans」.

関係ない分野なので流し読みどころか図を眺めただけだが, 確かにマウスの背中や寂しかった頭に毛が生えているような.でもマウスはよくわかるんだけど人間はイマイチな気もする.同じ人だし, 半年くらい経過してるし,伸びた髪の配置の影響じゃないのかとか思ってしまう.

しかし定量的な評価もしている.IGF(インスリン様成長因子:Insulin-like growth factor)の発現量とかが変わるらしい.あと肌の弾力が上がるらしい.表では微妙な差にも見えるけど.

ところで肌の弾力は「Skin elasticity」と書いてあり,単位がmmだ. Cutemeterというものをつかって測定するらしいが,ググってみてもイマイチ何のmmなのか分からない.値は大きい方が「良い」 と判断して正解なんだろうか.

とりあえず,IGFの発現量,CGRPっつーペプチドの放出量, マウスでの毛の生え具合は処理区と対照区でかなりはっきりとした差が見られる.程度の問題は残るが, 望ましい方向へ向かわせる効果はあるんだろう.スゲーな.キイチゴ.

以下は毛に関係のない話.気にしてたら毛が抜けそうな細かい話.

統計処理?の結果を全部「*, p < 0.01」 という感じで済ませてるのはどうかと思った.いったい何の確率が0.01より小さいのか,というかそもそも確率なのかも読み取れない. 好意的に解釈すればt検定なんだろうけど,2郡を比較するのってt検定だけじゃないしな. それともあまり確認していない本文に書いてあるのだろうか.

しかし「アブストラクトとキャプションだけで分かるように論文は書くものだ」 と指導された身としては気になる部分.

書かなければいいんだよな.統計処理の結果なんか. 平均値と標準誤差とサンプル数があれば大体のことは読み取れるんだし, それだけの情報から見えないような差が統計的に検出されてもあまり意味が無いのがほとんどだし.

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2008年03月14日

PCで文献管理

ボチボチ真面目に文献の管理をしないといけないなと思う今日この頃.ファイルに片っ端から綴じて目次を作ってみたけど, すでに破綻の様相を呈している.そこで,文献管理ソフトを使ってみようと思いついた次第.

一応今までもエディタとBibTexファイルを作って簡単な管理はしていたけど, 所詮はテキストなのでさっぱりデータベースとして機能していなかった.

それで,BibTexファイルを使ったデータベースみたいなものがないかと検索してみたら,JabRefというものが見つかった.

英語だが,今までのエディタに比べたらはるかに分かりやすいし入力も楽だ.ソートや検索といった機能があるだけでやっぱり全然違う.

なによりJab2HTMLと組み合わせたときのHTMLへの出力がかなり良い. サンプルを見るとよくわかるのだけれど, タイトルやアブストラクトの表示はもちろん,PDFやサイトURLへのリンク,GoogleやGoogle Scholarで検索するリンク,リスト中の他の文献へのリンク,コメントなどを表示させられる.

BibTexを使わない人が普通に文献管理をするのにも便利だろう.本の管理なんかにも使えるかもしれない.

 

posted by Rion778 at 19:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | PC関連。HTMLとか,Linuxとか,Rとか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年03月07日

2次のRunge-Kutta法による2階微分方程式の数値解[R]

少し前に2階の微分方程式をEular法によって解く方法を学んだが, Eular法では精度の向上にかなりのマシンパワーを要する.

計算量をさほど変えず,精度を劇的に向上させる方法としてRunge-Kutta法というものがある.

まずはEular法のおさらいから.

今回も2階微分方程式として単振動の微分方程式を例に挙げる.

20080307eq1

これだ.K/mは計算中に変化しないので(質量は全く変化しないとは言い切れないが),上手いこと単位を調整して, あるいは質量が偶然Kと等しかったとして,K/m=1とおく.

20080307eq2

見やすくなった.[加速度]=[つりあい位置からの変位]ということである.で,速度は位置の微分なので,

20080307eq3

こうだった.

ほんの少しだけ時間が経過したとする.例えばΔtだけ時間が経過したとき, 位置と速度は荒っぽく言ってそれぞれ次のように変化するだろう.

20080307eq4

20080307eq5

で,加速度aは-zであると最初に置いたので,

20080307eq6

となる.位置と速度をメモって,時間を少しだけ進め,少しだけ時間が経過したあとの位置と速度を上の式から計算する.で, 再び位置と速度をメモり,時間を進めて…

これがEular法だった.Rのスクリプトでは

Z <- 1
v <- 0
t <- 0
time <- numeric(0)
z <- numeric(0)
i <- 0
delta <- 0.1
for(t in seq(0,10,delta)){
 i <- i+1
 time[i] <- t
 z[i] <- Z
 oldZ <- Z
 Z <- Z+delta*v
 v <- v-delta*oldZ
 }

ここでは「少しだけ」の時間を0.1秒と置いている.計算結果をプロットすると,

Rplot001

こんな感じ.なんとなく振動を表しているようにも見えるが,振幅が時間と共に拡大してしまっている.目に見える程度であるため, 精度はあまり良いとはいえない.

そこでRunge-Kutta法である.

Eular法で誤差が生じてしまうのは,速度が変化し続けているのに,一定時間経過後の場所の計算に「今」 の速度を用いているからである.そこで,「少し先」 の速度を使って一定時間経過後の位置を計算してやろうというのがRunge-Kutta法の大雑把な内容.

2次のRunge-Kutta法では,「少し先」として,「今」と「次」の間の時間での速度を用いる.数式で書けば,

20080307eq7

こうなる.Eular法の式とほとんど変わらないことが分かるだろう.ただ,用いる速度が「少し先」というだけのことだ.

そして,「少し先」の速度は,「少し前」の速度を用いて次のように計算できる.

20080307eq8

これもEular法とさほど変わらない.時間の基準が「半個だけ」ずれているというだけのことだ.「今」と「次」 の間を使うといっても,別に計算量が倍になるわけではない.最初に「半個だけ」ずらしたら,Eular法と同じ歩幅で進んでいけばいい.

最初だけちゃんとずらす必要があるので,次のようにして「半個進んだ」時間の速度を計算しておく.

20080307eq9

さて,Runge-Kutta法を使う場合のスクリプトを書いてみよう.

Z <- 1
v <- 0
t <- 0
time <- numeric(0)
z <- numeric(0)
i <- 0
delta <- 0.1
v <- v + delta/2*(-Z)
for(t in seq(0,10,delta)){
 i <- i+1
 time[i] <- t
 z[i] <- Z
 Z <- Z+delta*v
 v <- v-delta*Z
 }

スクリプトの内容もほとんどEular法と変わらない.最初に少しの計算が入るのと,速度を計算するときに用いる「位置」の「時刻」 がちょっと違うだけなのだ.

計算結果をグラフにしてみよう.Eular法によるものを黒で,Runge-Kutta法によるものを赤で示した.

Rplot002

振幅の増加が無くなり,精度がかなり向上していることが見て取れる.

ところで,この微分方程式における厳密な数値解はcos(t)という式によって得られる. そこで上のグラフにcos(t)を緑の線で重ねてプロットしてみよう.

Rplot003

Runge-Kutta法により得られた赤い線との一致具合は驚くべきものがある.

このとき,Runge-Kutta法とEular法の計算量はほぼ等しいのだが, Eular法の計算量を100倍に増やしたのよりもさらに精度は向上している.

 

posted by Rion778 at 19:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

地表面における熱収支から地表面温度に関する1次方程式を得るには

地表面の温度を予想するにはどうしたらいいだろうか。

それには、地表面にはどれだけのエネルギーが伝わっていて、どれだけのエネルギーが失われているのかを調べればいい。

例えばここで地表面の温度がそれほど変化していないとして、地表面での水の蒸発(凝結)により失われる(得られる)エネルギー(潜熱) と、大気との直接の熱交換(顕熱)によって失われる(得られる)エネルギーと、地中への伝熱で失われる(得られる) エネルギーを足し合わせてみる。

潜熱+顕熱+伝熱量

そうすると普通はいくらかの値が余る。符号はマイナスかもしれないし、プラスかもしれない。

マイナスだった場合、その分のエネルギーがどこかから得られているということになる。「どこか」 というのはふつう主に太陽の光であって、これは波長の短い放射であるために短波放射とか呼ばれる。

プラスだった場合、その分のエネルギーがどこかへ失われているということになる。「どこか」というのは天空で、 天空に向かって地表面から電磁波としてエネルギーが失われているのである。この電磁波は可視光よりも波長がかなり長いのが普通であり、 長波放射とか呼ばれる。夜間に起こる放射冷却の原因はコレである。電磁波が物体からどんどん出て行くので、夜、 外に出ている物体は大気よりも温度が下がってしまう。

実際にはこの両方が起こっていて、「余り」は短波放射と長波放射を足し合わせた結果、 プラスかマイナスの符合をもった値となるのである。

そして、短波放射だからといって太陽から地表へ向かう一方通行ではなく、地表からの短波放射というものもある。反射だ。また、 長波放射だからといって失われる一方ではなく、他の物体からの長波放射などは地表面へ入ってくる長波放射となる。

地表へ向かうものを「下向き」、地表から出るものを「上向き」とすれば、地表面に関係する放射は以下の4種となる。

  1. 下向き短波放射
  2. 上向き短波放射
  3. 下向き長波放射
  4. 上向き長波放射

そして、この合計、「全放射」が「余り」とつりあうのである。

全放射 = 潜熱+顕熱+伝熱量

ここで、求めたいのは地表面の温度だった。まだ地表面の温度は出てきていない。

実は、先ほどの4種の放射のなかに地表面の温度に依存するものが一つだけある。

上向きの長波放射だ。

物体からどれだけの強さの放射が出てくるのかはその物体の温度に依存する。これを表したのが「ステファン・ボルツマンの法則」 と呼ばれるもので、それによれば物体からの放射の強度は物体の絶対温度の4乗に比例する。

上向き長波放射 = σ×地表面温度^4

ということ。ここでσはステファン・ボルツマン定数と呼ばれる定数。

これで地表面の温度が出てきた。短波放射の強度や伝熱量を測定や熱伝導方程式といった道具を駆使して決定してやれば、 地表面温度が求まる?

話はそう簡単ではない。

地表面温度は今4次の項として式の中に入っている。つまり4次方程式である。代数学の基本定理によれば、 n次方程式は複素数の範囲にn個の解を持つため、このままでは解が4つになってしまい都合が悪い。

ここで、大気の温度は地表面の温度とそう変わらないはずだ、と考えてみる。

そうすると、「大気の温度」の周りにおいて、「地表面の温度^4」という式をテイラー展開することができる。テイラー展開し、 1次の項まで使うとすると、

地表面の温度^4 ≒ 大気の温度^4 + 4×大気の温度^3×(地表面の温度 - 大気の温度)

という形になるのだが、ここで右辺は「地表面の温度」に関して1次式になっている。だから左辺の代わりに右辺を

全放射 = 潜熱+顕熱+伝熱量

に代入すれば、地表面の温度に関して1つだけの解を得ることができる。めでたしめでたし。

ところで、「大気の温度は地表面の温度とそう変わらない」と結構こじつけ感のある過程をしてみたが、ここでは温度を「絶対温度」 として取り扱っているので、我々の感覚を基準にすると「大気の温度と地表面の温度は結構違ってもいい」。 およそ10℃くらいの差までならば大丈夫ということらしい。

昨日、論文中に「地表面の温度^4 ≒ 大気の温度^4 + 4×大気の温度^3×(地表面の温度 - 大気の温度)」 という変換が突然出てきて、何でそうなっているのか相当な時間考えてしまった。3乗の項、 4という係数から冪級数展開で近似していることはすぐに見抜けないといけないのだろうけど、 熱収支の式の扱いに慣れていないので混乱してしまった。また、地表面の温度が目的なのに「地表面の温度と大気の温度を大体同じだとみなす」 という仮定がなかなか納得できず、テイラー展開の仕方すら迷ってしまった。まだまだだな。

まあ、後輩が読んでた論文なので今のところ僕には全く関係の無い話なんだけど。

posted by Rion778 at 01:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年03月06日

時には周りに合わせる事が重要

映画を見に行ったらどうも微妙な気がしたんだけど、知人の反応やネットのレビューはやたら高評価。

別に悪いと思ったわけじゃないけど、ただ微妙な感じがした。細かいところが気になって仕方なかったんだけど、 細かいところしか気にならなかったということは全体としては良かったのかもしれない。

マトモな感覚が鈍っているのか、あるいは神経過敏になっているのか。

なんにせよ、良かった、ということにしてしまったほうが得策ではないか。ひとまずは周囲に同調しておいたほうがいいような気がする。

posted by Rion778 at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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