2008年05月31日

比率の検定と角変換

中心極限定理によれば

平均μ、分散σ2である何らかの分布からサンプリングされたデータの平均値は、平均μ、 分散σ2/(サンプリング数)の正規分布に従う。

とされる。だから、サンプリングされたデータの平均値について、「もとの集団の平均値は○○% の確率でサンプルの平均値±△△の間にある」とか言える。が、 平均値の分布が正規分布に従うために必要なサンプル数というのはかなり多いので、 多くの場合はサンプルが少なくても使えるt分布というものを使う。 t分布はサンプル数が少ないときに若干すそが広いという特徴があるが、サンプル数が多くなればほとんど正規分布と同じになる。

いずれにせよ、平均値の分布する幅を推定するには元となる集団の分散、母分散(t分布の場合は推定された分散である不偏分散) が必要となる。そして、平均値の差についての検定では、比較するサンプルの母分散が等しいという場合において、 2つのサンプルの差がこれだけになる確率はどれだけなのか?ということを問うのである。

要は、平均値の分布の仕方に基づいた「平均値の差の検定」を使うためには、 母集団の分散が等しい必要がある、ということである。

「母集団の分散」なんてものは実際には推定するしかないわけで、本当に等しいかどうかはわからない。それに、 平均値に依存してばらつきの仕方が変わるかもしれない。たとえば、小さいものの大きさよりも大きいものの大きさの方がばらつきが大きい、 というようなことは大いにありそうである。ありそうだが、差の検定をする場合はそんなことは無視する。無視しても大して問題はない、 と前向きに考える。

しかしながら、「平均値」というものが二項分布に従う「比率」である場合(たとえば、コインを10枚投げたときの表が出た枚数で、 このような試行はベルヌーイ試行と呼ぶ)は、そんな風に前向きに考えていてはいけない。なぜなら、「比率」の分散は「ありそう」ではなくて 「明らかに」比率に依存している。比率の分散の計算に試行が成功する確率が入ってくるのが原因だが、直感的には 「ほとんど成功する、ほとんど失敗するような試行ほどばらつきが少なく、成功と失敗が半々となるような試行でもっともばらつきやすい」 と考えると理解しやすい。上限と下限があるものだから、ばらつきが押さえ込まれるのだ。 天井効果とかフロアー効果とか言うらしい。

そのため、二項分布に従うようなデータについてt分布や正規分布を利用して平均値とそのばらつきを推定、差の検定をしてみても、 比率によってばらつきの仕方が異なるので検定の妥当性が問題になることがある。

実際に、成功と失敗の割合を0〜100%まで変化させて行ったベルヌーイ試行(試行回数20)において、 その平均値のばらつきを次に示す。

 Rplot001

50%付近でばらつきがもっとも大きくなる。平均のばらつき方そのものが実際にこのような変化をしているので、 t分布や正規分布を用いて平均値の分布を正しく予想できたとしても、それを差の検定に使うのが難しいのだ。

では、平均値から計算できるもので、比率によらず分散が同じになるようなものはないだろうか。そういうものがあるならば、 それの値を比較することで平均値の差の比較の代替とすることができるはずだ。

で、そういうものは実際にある。それは成功した回数の比率をpとして、次のような変換によって得られる値だ。

temp1

arcsinというのはsinの逆関数で、0〜1までの値を与えるとそれをsinとして持つ角度を返してくれる。そこで、 この変換は角変換、または逆正弦変換、アークサイン変換などと呼ばれる。

角変換後の値のばらつきを次に示す。

Rplot003

まあおおよそ同じになっていることがわかるだろう。変換前に比べれば大分マシだ。

ところでこの値のばらつきの大きさがわからないと検定に使えないが、 この値はサンプル数をnとして分散が1/4nとなることが知られている。よってこれらの情報を用いて統計処理をすればいいということになる。 なお、比率が0の場合と1の場合は当然分散が0となるのだが、0の場合は1/4nを、 1の場合は1-1/4nを分散の値として用いるという決まりになっている。

これにてめでたしめでたし。

なのだが、もう一度この図を見てほしい。

Rplot001

「別に中央付近だったら値はそれほど変わらないじゃないか。」

そのとーり。30〜70%くらいまでの範囲だったら別に角変換をしてもしなくても結果が変わることはまずない。

そもそも分散が等しくないことが問題なのだから、等分散という仮定をおかない(ノンパラメトリックな) 統計処理を行えばそれで事足りる。

しかしながら、等分散を前提条件として必要とする多重比較や分散分析を行いたいという場合もあるかもしれない。 そういうときには角変換をしたほうが良いような気がするが、別に無視して普通に統計処理した結果を参考にしても問題はないと思う。ただ、 誰かに発表するような場合には「比率の統計=角変換」 といった断片的な情報だけを持っている人間を黙らせるために効果を発揮するかもしれないので角変換をしておくといいかもしれない。

重要なのはその「差」にどんな意味があるのか、ということだろう。「成功率が1%違った。統計的に有意な差があった。」 と言ってみても、「1%の差」に統計的以外の意味がなければ、「そんな小さな差がなんだ」という話になってしまう。そして、「1%の差」 が統計的に有意となるか否かは、サンプル数次第なのである。 完全にidenticalな処理などというものは存在し得ないという立場に立てば、ほとんど同一に見える2集団から得られたデータでも、 サンプル数次第でほぼ確実に「有意な差」が検出される。大量のサンプルにより導かれた「統計的な差」というのは大した意味をもたない。

角変換は重要で有用な手法なのだが、統計的な結果に対する説得力をわずかに増す以上の効果はない、ということは忘れないようにしたい。

グラフも見ずに「比率の検定?角変換しないと!」みたいな条件反射はよくない。まずは標準誤差を付けたグラフの観察からすべき。 値次第では、手元の道具(Excelとか)を使って普通の平均値の差の検定をしたっていい。

最後に今回使ったRのスクリプトを。

Xvar <- numeric(101)
Xarcvar <- numeric(101)
Xmean <- numeric(101)
X <- numeric(200)
Xtheta <- numeric(200)
for(j in 0:101){
 x <- c(rep(1,j),rep(0,101-j))
 for(i in 1:200){
a <- sample(x,20,replace=T)
X[i] <- mean(a)
Xtheta[i] <- acos(sqrt(mean(a)))
}
 Xmean[j+1] <- mean(X)
 Xvar[j+1] <- var(X)
 Xarcvar[j+1] <- var(Xtheta)
 }
plot(Xvar)
plot(Xmean)
plot(Xarcvar)

説明は省略。まー動かしてみてください。

参考

posted by Rion778 at 23:46 | Comment(0) | TrackBack(1) | 勉強ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年05月25日

光の強さを表す単位

なんだか前にも書いた気がして仕方がない。でも大切なことなので何度でも。

ここでは、カンデラ、ルーメン、ルクスという基本的な3つの単位について順に見ていく。

まず、カンデラ(cd)という単位だが

「特定の周波数(540 THz)の光が特定の強さ(1/683 W/sr)である方向を照らしているとき、 その方向における光度を1カンデラという」

といった感じで定義されている。しかしながら、この文章では「特定の周波数の光」と「特定の強さ」 がイメージできる人間でなければ1カンデラがどういったものなのかはさっぱり分からないだろう。これはあくまで定義であって、 説明用のテキストではないのだからそれは仕方がない。

なので、他人に説明するときはもっとイメージしやすい形で伝えなければならない。これは別に難しいことではない。

「ろうそく1本の明るさが、だいたい1カンデラ」

こう言えばイメージしやすいだろう。そもそも「カンデラ」というのはキャンドルと同じ語源のラテン語で、 昔は日本でもカンデラの変わりに「燭」という単位が使われていたし、実際にろうそくの明るさを基準としていた (厳密にはカンデラと燭は違うが、ほぼ1:1で変換できるようカンデラという単位は定められている)。

ここからルーメン(lm)の説明へ移ろう。

「1カンデラの強さの光を全方向へ放射するろうそくが、1メートル離れた場所にある壁を照らしているとき、 その壁1平方メートルを照らす光の量(光束)がだいたい1ルーメン」

カンデラは「強さ」を、ルーメンは「量」を指定するものと考えると分かりやすいと思う。

ところで、「ろうそく」を点と考えると、「1メートル離れた場所にある壁」はろうそくを取り囲む球の形となることが想像できるだろう。 この球の面積を決めてやると、ろうそくを中心とした「角度(立体角)」が指定できる。

これは、半径1の円(単位円)の弧の長さを指定することで角度が指定できる(弧度法、ラジアンによる角度の指定)ことと同じ。2次元 (円)では線(弧)だったから、3次元(球)では面(面積)を指定してやるのである。半径1の円の弧1に対応する角度を1ラジアンと呼んだ。 同様に、半径1の球の面積1に対応する立体角を1ステラジアンと呼ぶ。

ステラジアンを用いると、ルーメンは

「全方向へ1カンデラの光度を持つ光源が、1ステラジアンの範囲に放射する光束」

と言い換えることもできる。

このルーメンとカンデラの違いが分かりにくい。「1ステラジアンの範囲に」なんて言っているものだから 「1ステラジアンあたりのカンデラ」とか勘違いしてしまいそうだが、違う。ルーメンは光束(光の粒子の量)を指定するものなので、 興味がある範囲すべてが対象となる。ルーメンはあくまで「量」を指定するのである。

実際、全方向へ1カンデラの光度を持つ光源から1ステラジアンの範囲に放射される光束は1ルーメンで合っているが、 この光源が放射するすべての光束を考える場合、それは4πルーメンとなる。なぜなら、「全方向」とは4πステラジアンの範囲であるからだ。

すなわち、カンデラにステラジアンを掛けたものが、そのステラジアンの範囲におけるルーメンである。

つぎにルクス(lx)の説明へ移ろう。

ルーメンは「量」を指定するものであると言った。

しかし、同じ量の光を用いても、照らす範囲が広い場合と狭い場合とでは「明るさ」には差があるだろう。

なので、「明るさ」を数値化するには1ルーメンの光がいったいどれだけの範囲を照らすのかを指定する必要がある。ここでの「範囲」 はもはやステラジアンではなく、実際の面積(たとえば机の面積など)である。

そこで、ルクスは次のように定義する。

「1ルーメンの光束が1平方メートルの範囲を照らしているとき、その照度を1ルクスという」

1平方メートル当たり何ルーメンの光束なのか?これがルクス。

カンデラが「強さ」、ルーメンが「量」ならば、ルクスは「密度」を指定するものと言える(ただし、 ステラジアンあたりの密度ではなく、興味がある面積あたりの密度である)。

ろうそくと壁の例を持ち出せば、ろうそくから1メートル離れた場所にある壁はどこも1ルクスの照度であることになる。ここで「壁」 をろうそくから遠ざけると、同じステラジアンで照らすことのできる壁の面積が広がる。なので、 壁は1ルクスより小さい照度で照らされることになる。一方、「壁」をろうそくに近づけると、 同じステラジアンで照らすことのできる壁の面積が狭まる。なので、壁は1ルクスより大きい照度で照らされることになる。

まあこんな感じ。

ただ注意しないといけないのはカンデラ、ルーメン、ルクスのいずれも「ろうそくの明るさ」 という人間の感覚的な基準から出発しているものだということ。 人間の視覚は色によって感じ取りやすさが違う(緑が一番明るく見えやすい)ので、光のエネルギー量だとか、 光量子の個数だとかをこれらの単位で示すことはできない(光源の種類が分かればおおよその計算はできる)。つまり、 これらの値を基準として発熱量だとか光合成量だとかを計算してもちょっと説得力に欠けますよということ。逆に、 人間用の照明を設計するような場合はエネルギー量なんかよりも「どう見えるか」が重要なので、ルクスなどといった値を用いなければならない。

光の単位の話は以上です。以下余談。

「カンデラとは何だ?」との質問に、周波数だとか放射強度だとかで解説するのはどうかなーと以前から思っている。確かに「燭」 はSI単位系ではないが、感覚的な理解なしの定義の理解は難しい。というかありえない。 たとえばわれわれがよく慣れているメートルやグラムといった単位ですら、それを意識するときは何か基準となるものを同時に考えるだろう (自分の体、1円玉...etc)。SI単位系というものは確かに重要で、論文などはもちろんこれを使って書かないといけない。しかし、 重要だからといって定義を覚える必要はない。覚えるべきは「その単位と比較できる現実の何か」。感覚的な理解ができて初めて道具は使える。 細かい定義が必要となったら、理科年表でも調べればそれは見つかるはずだ。

posted by Rion778 at 15:36 | Comment(3) | TrackBack(0) | 勉強ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年05月08日

格子法による根長の算出

格子法でググっても流体力学の手法ばかりでてくるが,ここで紹介するのは植物の根の長さを計算するための手法.

間隔がわかっている方眼紙の上に植物の根を置いて,方眼の線と植物の根の「交点」をカウントすることで根の長さが推定できるという方法.

方眼の間隔がxとしよう.方眼の格子と根の交点がN個ならば総根長Rは次式で推算可能である.

導出に興味がなければおとなしくこの式を受け入れてもらえばいい.おとなしく受け入れる気がないという方は以下へどうぞ.

この方法は当初は線交差法という格子を用いない方法として考案された(Newman, 1966).線交差法においては,ランダムに配置した直線と根が交差する確率より根長を推定する.

上の図において,直線PQが根(ただし長さΔRは直線とみなせる程度に短い)であり,それに直線MNが交差している.このとき,PQとMNが交わるためには,少なくともPQの中心Dが直線MNから距離ΔR/2の範囲(点線で示した)のうちに存在している必要がある.ここで,PQ<<MNだとすれば,「直線MNから距離ΔR/2の範囲」というのは

である.

直線PQと直線MNが面積Aのうちに存在しているとしよう.このとき,(ΔR)hの範囲内にDが含まれる確率は

である.

次に,Dが(ΔR)hの範囲内にあるとき,直線PQと直線MNが交差する確率を求めよう.

直線PQと直線MNが交差するためには,Dから直線MNまでの最短距離が1/2ΔR|sinθ|よりも小さい必要がある.θは直線PQと直線MNのなす角である.

Dは直線MNから1/2ΔRの範囲を動くので,いま求めたい確率は,

で与えられる.

よって,「(ΔR)hの範囲内にDが含まれ」かつ「直線PQと直線MNが交差する」確率pは

である.交点の個数はすなわちこの確率の与える期待値であるので,θの1回転分,つまり0〜2πまでこの確率を積分し,2πで割る.

ところで,全根長Rは直線とみなせるようなΔRのつながったものとみなせる.よって

以上より,全根長Rは

により与えられる.なお,Hはすべての直線の合計長さである.

ところで,別に直線の方はランダムに置かないでも格子状に置けばいいんじゃね?精度も上がるよ,と提案した人がいた(Marsh, 1971).

そこで,たとえば間隔がxの格子を考えてみると,面積とそれに含まれる直線の長さの関係はx^2:2xとなる(実際に方眼紙を使って確認を!).そこで,これを先の式に代入すると,

である.で,ここでπ/4を計算してしまうと,

が得られるわけである.

ちなみにこの方法はNewmanと言う人が考案し,Marshと言う人が格子を使うことを提案し,Tennant(1975)という人によって有効だということが確認されたそうだ.

参考文献

  • 安部 淳,森田茂紀. 2004. 根の形態と機能に関する学生実験プログラム. 根の研究 13(2): 61-65
  • Marsh B. a'B. 1971. Measurement of length in random arrangements of lines. Journal of Applied Ecology 8:265-267.
  • Newman E.I. 1966. A method of estimating the total length of root in a sample. Journal of Applied Ecology 3:139-145.
  • Tennant D. 1975. A test of a modified line intersect method of estimating root length. Journal of Ecology 63: 995-1001.
posted by Rion778 at 22:35 | Comment(1) | TrackBack(0) | PC関連。HTMLとか,Linuxとか,Rとか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年05月06日

なんだかんだで今日も夜更かし

1/xの積分に関するおさらいを一通り終えた。思ったより長くなった。というか細かいところまで見ていくと底が無い気がしてきた。

ところで

e

これがe(というかなんかの値)に収束するってのは数Vでは証明しないんですってね。

単調増加で上に有界ってのを示せばいいんだからやればいいのに。

って思ったんだけどそもそも「上に有界で単調増加の数列は収束する」ということ自体もε− δ論法とやらを使って証明しないといけないんですってよ。

確かにそんなとこまで掘り下げるくらいなら「この式はeに収束するんだぜ!」って言ってしまった方がいい気がするな。

posted by Rion778 at 02:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年05月05日

携帯からのPost

改行なんかしなけりゃいいんだな。タグとか気にしたら負け。もう自由に投稿しよう。別段ネタもないけど。
posted by Rion778 at 12:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ケータイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年05月04日

ScilabとRの処理速度

やることは山積みだがヒマ感がすごいのでRとScilabで処理速度を比較してみた。

RもScilabも繰り返しは苦手っぽいけど繰り返しの処理速度は気になるし、 分かりやすいのでEular法で微分方程式を解かせてみた。

問題は 「ゼロから学ぶ物理数学 (ゼロから学ぶシリーズ)」 より拝借。食べると1秒あたり4パーセント身長が縮むキノコをアリス(身長125cm)が食べたとき、 身長の変化はどうなるのか?という問題。

0.005秒ごとに値を計算させ、ベクトルとして記録、プロットまで終わらせた時点の時間を計測。用いたマシンはOS: Windows Vista、CPU:Core 2 Duo 2.20 GHz、RAM:2GByte。

まずはScilabから。

timer()
x = 0;
y = 125;
i = 1;
dX = 0.005;
X = 0;
Y = 0;
while x < 100
X(i) = x;
Y(i) = y;
y = y-y*0.04*dX;
x = x+dX;
i = i+1;
end
plot(X,Y)
timer()

入れたばかりで使い方が怪しいけど、これで実行時間が分かるはず。

つぎにR。

f <- function(){
 x <- 0
 y <- 125
 i <- 1
 dX <- 0.005
 X <- numeric(0)
 Y <- numeric(0)
 while(x < 100){
X[i] <- x
Y[i] <- y
y <- y-y*0.04*dX
x <- x+dX
i <- i+1
}
 plot(X,Y)
 }
system.time(f())

system.time関数の使い方がよく分からないので一連の処理を関数にまとめてから実行時間を計った。

結果。

  • Scilab: 7.46
  • R:       2.81

もうちょっとくらい調べてからやればよかったけど、MATLAB系の言語ってのはもともとそんなに早くなくて、 特に繰り返し文を多用すると遅さが顕著になるらしい。ちなみに、Rでは

X <- numeric(0)
Y <- numeric(0)

この部分を

X <- numeric(20000)
Y <- numeric(20000)

といった具合に必要なベクトルの長さをちゃんと指定する形に直してやると、実行速度は1.15秒まで縮まる。

何にも指定していない状態だとグラフはScilabの方が綺麗かな。gnuplotぽい。

RにしろScilabにしろ演算をベクトル同士に帰着できればもっと早くできるはず。画像処理なんかはどうなんだろう。 Rでやったときはプロットがやたら重くなったけど。またヒマなときにやろう。

posted by Rion778 at 14:34 | Comment(6) | TrackBack(0) | PC関連。HTMLとか,Linuxとか,Rとか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

対数の演算

aとbとcという3つの数字の関係を考える。

aという数字が次のようにbとcを用いて記述できたとしよう。

20080503eq1

このとき、この数式中には「=」と「+」という演算記号しか現れていないが、bについて記述しようと思ったら「−」も必要だ。

20080503eq2

加法と減法はセットで導入されなければいけない。加法を計算する場合順序は関係ないので、他に必要なものはない。

次に、aが次のように記述できた場合を考えてみる。

20080503eq3

先ほどと同様にbに注目すると、次のように除法も同時に必要なことがわかる。

20080503eq4

乗法の場合も順序は関係ないので他には何もいらない。

では、次のような場合はどうだろうか。

20080503eq5

この場合、bとcの順序は勝手に入れ替えてはいけない。なので、指数を導入するには同時に2つの道具の導入が必要となる。

まずはbを求めることを考える。ここでbという数字はc乗するとaになるような数なので、 そのような数をaとcという情報から求める操作を次のように記述する。

20080503eq6

ここでbはc乗するとaになる数という意味を込めて「aのc乗根」と呼ばれる。

つぎにcを求めることを考える。bという数字を何回掛ければaという数字になるか、ということに注目するわけだが、この「何回」 を求める操作を次のように記述する。

20080503eq7

このように書くとaという数字をbというパラメータを持ったlogという関数でcへ変換しているように見える。そこで、bを「底」、 aを「真数」、cのことを「aの対数」と呼び、aからcへの変換を「対数をとる」などと呼ぶ。

ところで、この操作はbcという数字の指数部分を取り出していることに他ならない。よって、対数同士の加減法、 対数に対する乗法は、指数法則

20080503eq12

より次のように記述することができる。

20080503eq10

対数の和は、真数の積。

20080503eq11

対数の差は、真数の商。

20080503eq13

対数を定数倍すると真数の指数部が定数倍される。

 

1/xの定積分をどうやったら分かりやすく解説できるかなーっとそんなことを考えていた。「それは定義だからだよ」 と教えてくれた人も居たけれど、それじゃ面白みが無いし、そもそもそんなのウソだし。

んで色々考えていたわけだけど、結局のところ「微分と積分が互に逆演算」ということと、「log{e}(x)の微分は1/x」 ということを利用しないと解説できないなということになってしまった。力量不足?まあオイラーの公式しかり、 答えから遡ると何か見つかることは少なくないのであまり気にしないことにした。

ともかく、「微分と積分が互に逆演算」ということは比較的簡単に解説できそうだということが分かった。 微分の定義が分かってればなんてことない。丁寧にやってA4で2枚くらい。

でも「log{e}(x)の微分は1/x」というのは少し難しい。まずlogの演算が自由にできないといけない。 それで少し丁寧にlogをおさらいしてみた。指数法則以外に知識は必要でないようにした。

まあ、掛け算が足し算になったり、割り算が引き算になったりってのが対数の基本的な利点であって、 こういう対数と真数の関係はよく知ってて当たり前といえば当たり前なんだけど、でも忘れてる人は忘れてる。 今は計算機の性能がいいもんだから対数表を使って対数に変換し、足し算なり引き算なりをしたあとに再び対数表で真数にもどして… なんてことをするのはほとんど教科書の中だけになっているから。

んでも対数の演算ができるだけじゃまだダメ。極限をとったときにeという数字が現れることを示さないと見通しが悪い。 lim_[x→∞](1+1/x)^xの上界を示して、数値計算までしてみたら多分疑問点は残らない…といいんだけど。

posted by Rion778 at 02:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2008年05月02日

VistaへUbuntuのインストール

最近のUbuntuはWindows上からインストールできるらしい。 しかもパーティションも切らずに。

という話はついこの間した。で、なぜか手元のX61(Windows Vista搭載)にはインストールできないっつー話もした。

どうやら原因はIME2007らしい

試しにIMEを変えてみたらマジでインストーラが動いた。が、最後の最後でクラッシュした。

どうやら原因はVistaらしい (最初によく確認しておくんだった…)。

…こいつはMe以来の逸材な気がしてきたぜ。

まあとにかく、UbuntuのCDのisoイメージをDAEMONtoolsでマウントし、IME2007を無効にし、 CDん中からwubiをデスクトップにコピーしてからwubiを実行すればドライブが無くてVistaなX61にもUbuntuがインストールできる。

インストールが終わると再起動が促される。で、インストール後のブートからはVistaかUbuntuかを選べる状態になっている。 初回起動時はごちゃごちゃやった後に再起動がかかる。で、インストール終了。CDを焼く必要もないし、長いダウンロードを待つ必要もない (isoはP2P利用しないと若干時間がかかるけど)。なんて簡単なんだ。

んで起動してみたけどこれはすごい。3Dエフェクトマジ半端ない。マジキモイ。こんなの使ってたら完全に変態だ。 ちょっと遊んでたらあっという間に1時間半経過してた。ヤバイな。これは楽しい。

楽しいけどやっぱWindows中心に使う気がする。Linuxだけじゃ研究に必要な測定機器動かないし。

posted by Rion778 at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。