2008年12月17日

合成関数の微分

yという値をfという変換規則でzという値に変換できたとする。

081217eq1

このとき、このyという値はfとは別のgという変換規則によってxから変換されるものとする。

081217eq2

このとき、xの増分に対するzの増分の比率を考えよう。つまり、関数f(y)をxにより微分する。まず、

凛 = f(y+凉) - f(y)

このとき、

凉 = g(x+凅) - g(x)

なので、凅→0のとき凉もまた→0となる。このことから、

081217eq3

上のようにライプニッツの記法で記述するとそれぞれの変数がdyによって鎖のようにつながって見えることから、 この微分規則を連鎖律(chain rule)と呼ぶ。

別の記法と別の表現で今一度説明しよう。上の式をxという変数を強調する形でラグランジュ流に書き直すと、

081217eq4

これは、まずf(y)という関数を微分し、f'(y)という形(ここでは中身に手をつけない)を得た後、g(x)という関数を微分し、 両者を掛け合わせるという作業を表現している。つまり「全体の微分=外側の微分×内側の微分」。

たとえばこれはe^axやsin(ax)、cos(ax)といった関数を微分すると微分するたびに定数aが前に出てくる(様に見える) ことの理由になっている。

とか言いつつこの事実にさっき(というか12時間くらい前に)気づいた。もうそれから合成関数微分しまくりですよ。

しかし合成関数の微分もe^axの微分も2年ほど前から知っていたのに(成人するまで知らなかったのもアレっちゃアレだが)、 両者が同じものだと今の今まで気づかなかった。

で、さも以前から知ってるような風でもって人に説明しつつ、内心の衝撃を抑えるなどしていた。

要するに合成関数の微分とその具体例をそれぞれ別個に単純に丸暗記していたということなんだろうけど、 もはや今となってはなぜ理解できていなかったのかほとんど思い出せない。ただ、「合成関数」と「定数倍された変数」 が同一のものだという発想だけが欠けていて、思いつけなくて、見つけられなかった。ボケていたとしか言いようがないが、 しかしe^axを微分するたびになんでaが前に出てくるのかと丸一日以上考えて、調べて、結局放り投げたという記憶がある。 そのときは本当に分からなくて、これが理解できるようなヤツは頭がおかしいんだと思ってあきらめた。

「バカだった」とか「努力が足りなかった」「注意が足りなかった」というような言葉で片付けるのは簡単だけど、 勉強しても努力しても集中してもわからなかった問題が1年以上の間をおいて急に分かってしまった。 そして分からなかった時のことを忘れかけている。

「何かが理解できない」ということの理由は能力とか、努力とか、そういうものとは別のもっと些細で、 しかし重要なものが理由ではないか。今回だってもしもどこかのタイミングで「e^axは合成関数」 という情報に接触する機会があれば問題はその瞬間に解決できていたはずであって、後から見れば、あるいは他人から見れば 「そんなの考えればわかるだろ!」 という程度のことに気づけないために理解が完全に妨げられるということはしばしば起こっているのではないだろうか。

何か知識を得てしまうことで知識がなかったときのことが分からなくなってしまうことは知識の呪縛(Curse of Knowledge)という。自分が知っていることは他人も、あるいは大勢の人が知っているはずだ、という思い込み。 人をバカにするような感情はこの辺が原因ではないかと思うので日ごろ気をつけている。常識なんてのは多くが偶然によって得られるもので、 無知は罪ではない。

合成関数の微分の使い方にさっき気づいたとか赤っ恥もいいとこだが、知識の呪縛にとらわれて、かすかに残った「分からなかった理由」 を失うのはもっと深刻ではないかと思ったので書いてしまった。

posted by Rion778 at 23:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は最近電磁気学と力学とか始めたんですが半年くらいずっとsinωtを微分するとωがそとに出てくるのが気になり続けて、やっと今日合成関数の微分の理解によって「あー出る出る。」みたいなすっきり感で、やっとよく眠れそうです。
Posted by 私も at 2009年01月18日 23:40
ありますよねやっぱ。ちょっと安心です。
公式っていうのは完全に抽象化されたものなので、単に暗記するだけじゃなくて練習問題をこなして慣れるのが重要だなと最近つくづく思います。
Posted by R at 2009年01月19日 00:50
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL(言及がない、関連がないと判断した場合削除することがあります)
http://blog.seesaa.jp/tb/111378256
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。