2009年02月18日

最小作用の原理〜ニュートンの運動方程式

力学系は次の積分を最小にするように運動する。

20090218eq01

というのが最小作用の原理。もしくはハミルトンの原理。積分Sは作用と呼ばれる。Lは一般化座標q, その導関数q'(一般化速度) , 時間tからなる系を特徴付ける関数で、ラグランジアンという。(「特徴付ける」って何なのさ。という感じだけど、とりあえずここは 「ラグランジアンとして具体的な形を考えなくてもしばらく計算が進められる」 ということを強調するためにこんな微妙な言い方をしているだけなので、細かいことは考えず先へまいりましょう。)

一般化座標というのは系において位置を決めるのに必要な任意の個数の量の組で、たとえば平面上で垂直方向へy、 水平方向へxと座標を設定すれば、一般化座標の一例は(x, y)となる。「一例」 といったのはたとえば水平面からの仰角θと直線距離rを用いて(θ, r)としても位置は一意に決定できるからだ。 ちなみに位置を一意に決定するのに必要な量の個数をその系の自由度と呼ぶ。

さて、積分Sが最小となるということの意味を数式で表してみよう。変分記号δを使えば、それは次のようになる。

20090218eq02

ここから前に変分法を説明したときと同様の手順を踏んでオイラー方程式を得る。

20090218eq03

このオイラー方程式はラグランジュ方程式と呼ばれる。

次にラグランジアンの具体的な形を示す。重力のある質点系においてラグランジアンは次の形で定義される。

20090218eq04

Tは運動ポテンシャル。Uは位置ポテンシャルを表す。

いきなり出てきた感があるけど、これは相互作用のない系におけるラグランジアンに、相互作用(質点ともうひとつの質点、 地球との相互作用である)によって決まる座標の関数Uを足し合わせることによって得られている。

運動ポテンシャルは力(F = ma = m dv/dt)を位置について積分することで得られる。 物理の教科書とかによく載っているので多少飛ばし気味で(ただしランダウ=リフシッツ「力学・場の理論」では以下と異なり、 先に述べたように「相互作用のない系におけるラグランジアン」として運動ポテンシャルを導いており、議論は最小作用の原理だけを用いて進む。 が、ちょっとまだ理解しきれてない部分があるのでそれはパス。気になる人は「力学・場の理論」でどうぞ!)。

20090218eq05

一列目から二列目の変換は置換積分であることに注意。 ここで積分変数がqからvへ変わっている。

位置ポテンシャルも同じノリで重力(F = mg)を高さhについて積分することで得られる。

20090218eq06

こっちは置換積分とかしない。

式(5)、(6)から重力のある質点系での具体的なラグランジアンの形を求めれば次の形になる。

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これをラグランジュ方程式(3)へ代入すると、次の式が得られる。

20090218eq08

ところでここで左辺第一項はma(aは加速度)である。第二項、計算前の形で∂U/∂qであるこれは力である。

そう、要するにこれはma = Fというニュートンの運動方程式に他ならない (別にニュートンの運動方程式を求めるだけならUとして具体的に位置エネルギーというものを挙げず、 座標と相互作用により決まるポテンシャルエネルギーとしておけばよかったんだけど抽象的すぎて分かりにくいので)。

たとえばここで垂直方向へy、水平方向へxとして座標を設定し、式(8)へ座標の情報を取り込むと次の式が得られる(空気抵抗は無視) 。

20090218eq0910

これはよくある(と思う)空気抵抗を無視した状態で物体を投射したときの運動を求める問題。まあ放物線が出てくるわけですが、 結構面倒なんで今日は解かずにここで終わり。

とりあえず、最小作用の原理からニュートンの運動方程式が出てくる、というお話でした。

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参考文献

posted by Rion778 at 03:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強ノート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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