2007年08月18日

階乗は,あまりにm…>Ω ΩΩ<な,なんだってー!

オイラーの贈物という本をこの間買った。そんな古い本じゃないけどAmazonには新品がなかったので楽天で。 今見たら楽天のも売切れだった。数学ガールが売れているようだし,僕みたいに参考文献から辿って買う人が割といるのかもしれない。

この本は文庫なのだけれど,普通に数学の教科書してる。「他書を参照する必要がないよう留意」,「式番号を省略」など, 便利な工夫は凝らしてあるけど,だからといって電車の中で気軽には読めない。 あまりにちゃんとしてるのでノートを用意して気合入れて読まないといけない。

で,まだ1割も進んでないんだけど,脚注にこんなことが書いてあった。

階乗は,余りにも大きな数になるので,驚いて感嘆符!を用いるのだ,という説がある.

…まあ,「驚くほど大きな数になるので感嘆符を…」 というような説明ならその辺の数学教師も割とやるかもしれない。でも

「驚いて感嘆符!を用いるのだ」

という現在形の言い方がなんだか愉快な情景を描写させる。階乗が出てくるたびにビックリ!,みたいな。

ちなみに,この脚注は練習問題で100!を計算,というか素因数分解したあとに出てくる。 階乗は驚くほど大きな数になるというのがひじょーーーーーによくわかる。この驚きを共有したいので,みんなも100! を計算すればいいと思うよ。

タグ: 数学
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2007年07月06日

安上がりに英文を読むための辞書,辞書ツール

安い英語の辞書を教えろ,と知人に言われたので,持ってるor使ってる辞書からいくつかピックアップ。

まずは英英。

紙媒体ならコストパフォーマンスが最も高いのはWebster's New World Dictionary。驚愕の700円。作りは値段相応だが(ただし洋書のペーパーバックは数千円クラスのものでも雑), 中身は詰まってる。軽くて小さいので携帯にも便利。英英辞書を持っていないなら,とりあえずこれを。

PCで辞書をひくという場合,ネット常時接続が必要だが1-Click Answersの利用をお勧めしたい。インストールして常駐させておけば,Alt+クリックで該当箇所の単語の意味を即座に検索, ポップアップしてくれるという優れもの。ブラウザはもちろん,ほとんどのアプリケーション上で動作してくれる。なによりフリーである。

次は英和。こちらはPC上で使用するもののみ。

とりあえず英辞郎第三版があるとほかのソフトと組み合わせていろいろできる。英和だけでなく和英に例文, 略語といろいろ入って2500円と安い。ちなみに,辞書データだけならもう少し安くサイトから買える。 公式にはWindowsとMac対応となっているが,Linuxでも役立つ辞書データベースである。項目数は非常に豊富 (英和150万,和英176万項目!!)であり,かなり特殊な専門用語にも訳が当たっていることが多い。 信憑性は必ずしも高いとは言えない様だが,実用には耐えうるレベルだと感じる。

英辞郎のデータベースは付属してくるPDICというソフトを使っても十分快適な検索ができるが,Macでは英辞郎ビューワーというソフトを使ったほうが快適らしい。 LinuxではPDICが使えないが,rdicという非常に優秀なソフトが使える(使えるようにするまで若干大変だが)。 英辞郎とその検索ソフトを使用すれば,目的の範囲を選択+コピー操作etc(検索ソフトによる),といった簡単な操作で検索ができ,単語, 連語,例文ごたまぜで検索,表示を行ってくれる。これはヤミツキになる快適で,楽しい。私は電子媒体の英文を読む場合, 必ずLinux上で表示させ,同時にrdicをスタンバイさせている。rdicは範囲選択するだけで訳してくれるので非常に快適。

また,以前も紹介したFireFoxのアドオンであるMouseover Dictionaryはマウスカーソルを載せるだけで驚くべき速さでその訳をサイドバーに表示してくれる。 FireFoxを使っていて,英辞郎を持っているなら使わない手はない。

あと,フリーの英単語学習ソフトであるP-Study Systemは,英辞郎のデータを使用して例文を表示する機能を持っている。P-Study System自体非常に高機能だが, 英辞郎と組み合わせることでさらに学習効率が向上する。

そのほか,Googleツールバーを導入するとポップアップ辞書が使えるようになって便利だ。 ツールバー導入以外に特別準備することもない。少し専門的な単語になるとすぐ出てこなくなるのが難だが, 常時ONにしておいても気にならないので導入しておいて損はない。

とりあえずここまで。いま紹介したものの中でフリーのものをPCに導入するだけでも, 英文をかなり快適に読めるようになるんじゃないかと思う。環境としてもそうだし,能力そのものも高まっていくと思う。

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2007年03月20日

こんな一枚が欲しかった!

本屋に長居してはならない.

なぜならば,買いたい本が次から次へと……あれ?

んなことより今,周期表がアツイ(俺的に)!

先ごろ大学生協の書籍コーナーで不覚にも買い逃したニュートンの別冊「完全図解周期表― 自然界のしくみを理解する第1歩」 を,友達の買い物ついでに行った大きな本屋さんで見つけたので,泣く泣く買う羽目になった. 今月の書籍代はすでに大台に乗っているというのに!

このニュートン別冊にはA判くらいのおっきな周期表が付いてくるので,ほとんどそのために買った.

内容については,「イメージの中のロシア人につぶらな瞳を付けたらメンデレーエフになるな」とか 「黒くてセットされた髪のアインシュタインは,シューマッハ(兄貴)に口ひげをつけたみたいだな」とか思いながら読むのが正s… ゲフンゲフン

…まぁとにかく内容も捨てたものじゃない.最初の半分くらいで原子,分子,イオンなど,それと周期表についての話題を取り上げていて, 残り半分くらいが元素各個の紹介に費やされている.オールカラーでとってもきれい.

先日マグロの話をしたときに取り上げた 「元素111の新知識― 引いて重宝、読んでおもしろい」に比べるとテキストは少なめだけど,その分絵が多い. 画像としてのイメージが思い描けるか否かは物事の理解に対して重大な影響を及ぼします故,お買い求めの際はぜひぜひセットで.

元素紹介の後半,画像のネタがなくなってきてキュリー夫妻の肖像が3回くらい出てきたりするのは仕方ないか. 研究以外に使い道がないような元素にそれぞれ写真つけるのは無理だしな.

ちなみに,周期表だけとにかく!今すぐ欲しい!って人は,文科省が「一家に1枚周期表」ってのを作ってます (ページ右フレーム少し下くらい)ので,そちらをダウンロードして印刷すると幸せになれるかもしれません.

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2006年11月06日

外での時間の使い方

「やっぱ家が一番だな」

と,旅行などから帰宅した日本人の3割くらいは言っているに違いない.ちっとばかし遠いところを目的地に外出を企てたら, 総移動時間が活動時間の半分を超えてしまった.でもおかげで長い間読み進められずにいた本が消化できた.

家じゃ読まないような本は外で読むべきだ.外でぼんやりしているのは結構辛いから,普段は読む気にならない本でも読む気になる. つまり家の中でmustであったものが外ではwant toになる.

とはいえ外に出ている時間なんかほとんど無いから,これに頼っても積ん読は消化できない.

渡部昇一は積ん読になりがちな英語雑誌の消化を喫茶店で行っているらしい.これは「外で読む」という事を意識しているのではなく, 「コーヒーが飲める」という事を重視してるみたいだけど.

「タイム」や「ニューズウィーク」などが配達になったときは、 それを持ってコーヒーを飲みに行くのを楽しい掟にしている。  − 中略− コーヒーという餌で、 とにかく毎週の英文週刊誌をこなして、 海外の新鮮なトピックを直接仕入れるのであるが、 これは楽しくもあり、 ちょっとした気分転換にもなっている。
渡部昇一 知的生活の方法

どうもうちの隣の隣の隣の隣くらいに喫茶店がある気がしている.行くべきだ行くべきだと一年以上思っている. まぁ自販機にジュース買いに行くのも面倒な私が一人で喫茶店に出掛けるなんてことはあり得ない話なんだけど.

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2006年10月29日

「植物組織培養の新段階」

植物組織培養の新段階―培養器環境から地球環境へ

昨日の昼に佐川のおっちゃんが届けてくれて,日付変わったついさっきに読み終わった.

「無糖培養」とか面白いことを書いていて,それが一番の目玉であるのだけれどそれだけじゃない.あとがきに「学生達の質問、 要望に応えるつもりで、 本書を講義の副読本として書くことを思いついたのである。」とあるのだけれどまさにその通り. 今まで引っかかっていた「何で?」「どうやって?」の大半が一気に片づいた. 欠けていたジグソーパズルのピースが埋まる感じとはまさにこのこと.この本には高校時代に出会いたかった.

アマチュア園芸家で培養をやっている人から研究で培養を扱う人まで,植物組織培養に関わる人間なら必ず得るところがあるだろう. 少しでも植物組織培養に興味のある人間はぜひ読むべき.かなりワクワクさせてくれる一冊である.

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2006年10月21日

「単位171の新知識」

単位171の新知識 読んでわかる単位のしくみ 星田 直彦 (著)

なんで買ったのかイマイチ思い出せないけどなかなか面白い本だった.

要はトリビア本の一種なんだけど,紹介されている単位にはそれが示す「量」,属す「系(SI単位なのかどうかとか)」,「定義」 が必ず書いてあるから調べ物にも役に立つ.巻末にはさくいんの他に単位一覧と換算表付き.そのほか,

◆震度の求め方
 かつての震度は、 気象台や観測所の担当官が体感および周囲の状況から推定していました。

というようなちょっとしたネタが満載.

また,定義を聞いてもイメージしにくい単位については, イメージしやすいものに例えたり図説で説明してくれるのでその単位の意味するところがつかみやすい.例えばインチは親指の幅だとか (私の親指は1インチには少し足りませんでした),1カンデラはロウソク1本くらいの明るさだとか,華氏の0度は海水が氷るくらい, 100度はちょっと高めの人間の体温だとか,「だいたいの感覚」を知ることが出来る.

普通に実用的だから別にトリビア本では無いような気がしてきた.

それからこれは余談で,その上友達の話.
先日ある講義の授業で, 非常にアレな内容なのに講義に対する質問を書かなければならないという苦境に立たされた.…らしいんだ. 友達がね.「(ある程度予備知識のある)同じ内容のものを見ても,興味の無い人間は 『そんなの知ってるよ』と言い,真剣に見た人間は『新たな発見をした』と言う.」 そんな話を養老孟司がバカの壁あたりで言っていたと思うけど,そのときはもう初っぱなから興味を失っていた.もう完全に「知ってるよ」 「分かってるよ」モードだった…んだと思う.友達がね.一応念のためフォローしておくと, 決して講義がつまらなかったのではなくて, あまりに上手に説明をしてくれるものだから何の疑問もなくすっきりさっぱり理解できてしまったんだ.…と思う. まあ友達の話だからね.

で,いくら何でも『そんなの知ってるよ』と書くわけにはいかないから, 「ステラジアンの『ステ』とは何か」 みたいな事を書いたんだ.「ステレオに決まってるよな…」と思いながら.いや,何度も言うけど友達がね. そして,その答えはこの本にあった.

ステラジアンの「ステ」は、 「立体」を表すギリシャ語の“stereos”からきています。

…まあそうだよね.

タグ: 単位
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2006年09月15日

本を読む場所

家の中で本を読むときに寝っ転がって読むという人は少なくないと思う.

寝っ転がる,というのは外ではなかなか出来ないことだし, 睡眠時の姿勢であるのだから何となく楽なような気がするものだ.私も長い間そんな気がしていた.

だが,冷静に考えると寝っ転がるというのはあまり読書に向いていない姿勢である.読書をするなら机を, それも正しい姿勢で使うべきである.

なぜ寝っ転がるのがいけないのかなど少し考えれば分かる.では少し考えてその欠点を「寝っ転がりタイプ別」 に分けて以下に挙げてみよう.

まず「仰向け」で読書することを想定してみると,これは両腕を絶えず上に上げていなければならないので大変疲れる. 筋トレしたいのなら良いだろうが,読書には集中しにくい.そして上からの照明が使えないので暗くなりやすいという欠点もある.

次に「横向き」.一見楽なようだが,下になっている手を使うか,上になっている手を使うかという問題があるし, 下になった手はしびれる危険性がある.枕などを抱きかかえる事で多少の改善は図れるが, 横向きである以上必至な動作----寝返りを行おうとするとチョットした仕事になり,そのたびに集中が乱される.

最後に「うつぶせ」である.これが最も楽なようであるが,肘をついていれば肘が痛くなるし,アゴをついていればアゴが痛くなるし, 大きなクッションがないと背骨にもよろしくない.そして頭を常に上へ向けているわけだから,首にも負担がかかる.

以上3タイプ挙げてみたが,これは読書に限ったことではない.そもそも何らかの作業を行うのに「寝っ転がる」 という姿勢が全然向いていないのである.

そこで机だ.そもそも机というのは読み書きのためにあるのであって, そこで本を読むのはもちろん楽なのである.机を使用することによる利点は疲れにくい,体が痛くなりにくいという以外に,照明が採りやすい, メモが取りやすいなどということも挙げられる.また,気が付いたら寝てしまって大事な本に折り目が付いてしまった, などという悲劇も防ぐことが出来よう.

最近は少し読書量が増えたので,こうした机による利点をよく確認することが出来た.今ではメモ帳,日誌, 辞書といった一日中使うもの以外は机に出しっぱなしにせず,A4の紙が2〜3枚ひろげられるだけのスペースは常に保てるように心がけている. 机上が片づいているとちょっとした書き物に対する心理的抵抗もずいぶん減るから, 家計簿の記入や英文和訳といったサボりがちなルーチンもだいぶ習慣付いてきた.

なお,机が快適に使えるためにはそこが片づいているだけでなく,適切な高さであるかどうかも重要な要素であるからこれも時々点検すべきだろう.

タグ: 姿勢
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2006年08月31日

今月読んだ本 2006.8

ぼちぼち読書カードを書くのも習慣となったぞ.

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 R.P.ファインマン 大貫昌子訳 岩波現代文庫
下巻.ラスベガスの話や来日したときの話,教科書選定委員になったときの話など今回も興味深い話が詰まっている.もちろん上巻に引き続いてオススメの一冊である.

発想法 (続) 川喜田二郎 中公新書
いわゆるKJ法を解説した名書「発想法」の続編.具体的方法を論じている.分厚い.それと本の中でも自ら述べているが,どうもKJ「教」臭さが気になる.しかし読んで損をすることは無いだろう.例えKJ法が合わなくとも,発想,思考の方法を考える上では大変参考になる.

新しい高校物理の教科書―現代人のための高校理科 山本明利 左巻健男 講談社ブルーバックス
高校では物理を取っていないし,大学の成績も散々なものだったので,ちっとネタ本臭いが何かの足しにはなるだろうと購入した.しかしダーマトグラフで線を引き引き読んでみるとなかなか分かり易い.大学の物理もこれを読んでおけば何の問題も無かっただろう.というか私が物理で分からなかったのはωだとかλだとかの記号のきちんとした定義であって,それが分かってしまえばなんと言うこともなかった.大学の講義では今更こうしたものを教えてくれなかったし,知人に聞いても「ωは…ωだよ!」とかそんな反応をされたので苦手感が生長してしまったのだろう.とまあ物理の全然な私でも分かったので,高校物理に自信のない人は読んでみると良いだろう.新書サイズなので教科書のような威圧感が無いのもいい.内容は結局教科書なのだが,一般書籍と同じノリで気軽に読むことが出来る.

変身 フランツ・カフカ 高橋義孝訳 新潮文庫
「ある朝,グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと,自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した.」っとのっけからぶっ飛んだお話.しかし主人公が虫になってしまった事を除けば,物語は実に現実的に進む.周りの人間の反応も普通である(巨大な虫を見たときの反応として).違和感は読み進めるにつれドンドン巨大化していく.

考える技術・書く技術 続 板坂元 講談社現代新書
何でこれの前の「考える技術・書く技術」が超ロングセラーとなっているのに続編が絶版(多分)になっているのか気になって中古で購入した.読んでみたら多少は納得.この本は前作より現実的で技術面の話が多くなっているのだが,ここ数十年のパソコンの発展と普及で通用しなくなったものが多いのである.挙げられている本が絶版で手に入らなかったりと残念に思うところも多い.しかし前作ほどでないにしろ非常に有用な本ではあるので,前作を読んで感銘を受けた人は,是非どうにか入手して読んでみることを進める.

女子大生会計士の事件簿 DX.1 DX.2 DX.3 山田真哉 角川文庫
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の人の本.簿記をかじってればすらすら読める.簿記をかじってなくても脚注が丁寧だから多分大丈夫.とりあえず裏金の作り方が分かったのは収穫である.

ゲリラ戦争―キューバ革命軍の戦略・戦術 エルネスト・チェ・ゲバラ 五十間忠行訳 中公文庫
言わずと知れたキューバの英雄チェ・ゲバラによる書.誰にでも出来る革命の起こし方…か?ゲリラ戦のノウハウがぎっしり.読んでいくと分かるけど,チェ・ゲバラはテロリストとは全然違う.本の中で明確にテロリズムへの批判もしている.社会主義国家(最近は怪しいけど)キューバの英雄でありながら,右から左まで支持者,というか好感を持つ人が多い理由をかいま見ることができる一冊である.

統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 ダレル・ハフ 高木秀玄訳 講談社ブルーバックス
70刷以上を重ねるロングセラー.よくニュースとかで出てくる数字にはどれほどの意味があるのかを解説しているが,読み終わったらそんなもの全く信用できなくなることうけあいである.もっとも,マスコミは信用ならないという「当たり前のこと」をきちんと理論立てて解説しているだけでもあるのだが.もちろん「ウソをつく法」を知ることは「信頼される数字を出す法」を知ることであるから,数字を扱う立場にある人は一読しておいて損は無い.

吾輩は猫である 夏目漱石 新潮文庫
「吾輩は猫である.名前はまだ無い.」までは誰でも知っている.知っていながら読んでいないのはどうなんだ,という気持ちと,他の本で引用されていたこともありいよいよ読むことにした.なかなか筋らしい筋が進まず,脇道で盛大に話が展開されるが,突然その脇道とすら関係のない「吾輩」の語りが始まったり,またあるときは本の外との絡みを見せたりと退屈しない.

老人と海 アーネスト・ヘミングウェイ 福田恒存訳 新潮文庫
名前は知ってても中身を知らない本の一つ.まぁ内容はタイトルの通りといえば通りで,老人と巨大な魚との壮絶な戦いを描いた本.壮絶な戦いとは言っても重苦しい感じはしないし,最後はオチまでついててなかなか爽快に読める.

マーフィー100の成功法則 大島淳一 知的生きかた文庫
この本の著者大島淳一はあの渡部昇一である.という話をつい最近耳にはさんだので買ってみた.要するにポジティブシンキングを薦める本のようだが,実際書いた本人が成功しているのだから説得力はそれなりにある.ちょっと眉唾物の逸話が並べ立てられているが,別に間違ったことは言っていない.精神が病み気味のときに読むと良いかも知れない系の本である.

シャーロック・ホームズの冒険 コナン・ドイル 延原謙訳 新潮文庫
短編集.何の本だったか思い出せないが,「シャーロック・ホームズのシリーズにはなかなか実生活に活かせる事が書いてある」というようなことを言っていたのでとりあえず買ってみた.どの辺が実生活に活かせるのかイマイチ分からなかったが,ホームズの姿勢は多少見習って良いかもしれない.あと色々なところでネタ元になっているせいか,どっかで聞いたような話がちらほら出てくる.

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる 梅田望夫 ちくま新書
今ウェブで何が起こっていて,何が起ころうとしているかを論じた本.情報の在り方だとかビジネスの方法だとかが急激に変わってきたのはぼーっとしてても感じる.で,それじゃあどうしようってことはやっぱ考えなきゃだめなんだろう.一応「若い世代」のつもりだけど,それでもやや置いていかれてる感は最近ひしひしと感じている.

坊っちゃん 夏目漱石 角川文庫
「吾輩は猫である」に比べると一本筋でテンポ良く話が進んでいくから読んでて爽快である.ただ,角川のは冒頭にあらすじを書いてしまっているからいただけない.読書感想文とかは書きやすくていいだろうけど,いきなりネタばれされてはかなわん.別に読まなければ良いだけの話だけど,せめて巻末に置いてもらいたいところだ.

緋色の研究 コナン・ドイル 延原謙訳 新潮文庫
ホームズシリーズはここから.ワトスン君との出会いから始まる.スゲー面白いか?と言われるとそんなことも無いような気がする(行く先々で殺人事件が起こり,毎回異常に巧妙なトリックが仕組まれている非現実的なあの漫画に毒されているのかもしれないけど)が,別に展開がダルイとかそんなことはなく,登場人物もそんな多くないので混乱せず,一気に読んでもちょこちょこ読んでも大丈夫な本である.ホームズシリーズは各話がゆるーく繋がっているのでここから読んでいった方がよさそう.

以上.今月は冊数は先月より多いけど軽い本が多いな.来月は冊数を抑えて教科書の類を消化するかな.

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2006年08月04日

今月読んだ本 2006.7

先月は比較的マジメに読書カードを書いていたので何を読んだか分かるぞ.文庫と新書しかないけど.

日本共産党 筆坂秀世 新潮新書
〔寸感〕ああ,共産党は一応共産主義者が集まってたのか.くらいの新鮮な感動(?)を覚えられる無知な私は楽しめたけど,共産党マニア(?)には物足りないかも.共産党入門(?)書.

カラマーゾフの兄弟 上中 下 ドストエフスキー 原卓也訳 新潮文庫
〔寸感〕文学として構えなくても普通に推理小説としても楽しめる.「四の五の言わずとりあえず読んどけ」的な事をよく評判として聞き,実際その通りだと思うけどついうっかり徹夜してしまうので注意.テスト前は注意.テスト…ハァ.

「超」文章法 野口悠紀雄 中公新書
〔寸感〕「分かり易い文章」を書くにはどうすればよいか?を「分かり易い文章」でまとめてある本.今までの読書技術のまとめと反省みたいな感じ.とりあえず文章の書き方を知りたいのなら,これより先に木下是雄先生の「理科系の作文技術」を読むべき.理系も文系もね.

考える技術・書く技術 板坂元 講談社現代新書
〔寸感〕アイデアを熟成させる方法と,分かり易い文章の書き方を論じたベストセラー.文房具がお好きなようで,ちらほら文具の話題が出てくる.インクが入ってて酸化して色の変わる鉛筆ってのがお気に入りらしい.スゲー欲しいけど売ってないぞ.どういうことだ.あと大学近辺で黄色のダーマトグラフがいつも品切れなのはこの本の影響かなと勝手に思ってる.ちなみに続編があるのだけれど全然流通してない.絶版?結局アマゾンのマーケットプレイスで頼みますた.

「超」整理法〈4〉コミュニケーション 野口悠紀雄 中公文庫
〔寸感〕「超」整理法シリーズからコミュニケーションに関する部分を抜粋してちょっと補強した感じの一冊.今までの著書を読んでいると目新しさがない.あと企業内での情報伝達に関する記述が主なので人によっては役立たない.

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 R.P.ファインマン 大貫昌子訳 岩波現代文庫
〔寸感〕長短様々のエピソードが詰まった一冊.科学とはこんなにも面白いものだったのか!と思わされること間違いなし.物理学のみならず,心理学や生物学,哲学など何にでも首を突っ込んでいる.全ての分野の科学者,そして科学に興味を持つ全ての人間に読んでもらいたい本だ.

これだけかな?多分.積ん読と参照だけして通読してない本があと何冊かあるけど.もえたんとかもえたんとかもえたんとか.もうちょっと読めるなぁ.と思ったけど,私の記憶が確かならば7月は試験が沢山あったはず.どこに本を読む時間などあったのでしょうか.謎ですわ.

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2006年07月26日

真の積ん読とは?

 孫引きになってしまい申し訳ないのだが,板坂元の「考える技術・ 書く技術」 に引用されている「続・やわらかい頭」(森政弘・ 片山龍二 多分もう手に入らない) の一文にこんなものがある.

たてておく,つんでおくという,あの読み方は,ただ買ってきて,安心感のために傍においておくというんじゃなくて, 表題だけを見て,半年ぐらい手をつけずにおいておくんですね.そうしながら, 中に何が書いてあるかをよく推考して半年ぐらいたってからあけてみますと,それがだいたい当たっているんですよ.

…これは本気で言っているのだろうか? まあでも最近の本はタイトルが大分具体的なものも多いから,何となく中身を予想することはできるだろうし, 予想したもののうち1割でも当たっていれば「だいたい当たっている」と思うのかもしれない.

しかしあらためて本棚を点検してみるとまだ読み切ってない気がする本がかなりあった.それも「種の起源」とか「沈黙の春」 とかどうも気軽に手に取る気が起きない本がこちらをにらんでいる.専門書の類で言えば調べ物以外で開いたことのない本も結構ある.

さすがにこれらは「たてておく,つんでおく」 で内容を想像するにも限度があるし,想像じゃ役に立たない.それに上の引用文の話だって最終的には読んでいるのだ.いつまでも 「たてておく,つんでおく」ではいけない.大学が夏休みに入ったらとっとと消化するか. っても休みに入ったところでレポートが山積みだから本当の夏休みはまだ先なんだけど.

タグ: 積ん読
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2006年03月27日

Nature定期購読

NatureJapanから定期購読の申し込みをしてみました。口座引き落としで学割価格なので月々2,980円。週刊誌だしこんなもんか?

「学生の場合は学生と証明できるもののコピーをFaxか郵送で〜」云々書いてあったので何時送るべきかと思ってましたが、引き落としの申込用紙と一緒に送れとのこと。一緒で良いのか。Faxの番号とか住所とか書いてあったら別に送らなきゃならないのかと思っちゃいますよ。

最大の問題はちゃんと読むかどうかなんですが。新聞も一面とテレビ欄くらいしか真面目に読まないしなー。何てったって本文が英語ってのが。でも保身のために読んでおきたいのです。一応大学生ですし。

無理して読んでりゃ英語力も付くんじゃないかという下心もあります。何でも優秀なアメリカの大学生は月に一種類程度の雑誌を読むことで100万の単語に触れ、平均1000語の英単語を新たに仕入れているそうです。月一冊で1000語とは魅力的な話ではないですか。まー母国語として英語使ってる人間、それも「優秀な」大学生と単純に比較など出来たモノではありませんが。

余談ですが「優秀な」アメリカの大学生でも語彙力は2万語程度なんだそうです。昔、中学上がるときには3000の単語が必要と脅され、高校に上がるときは8000の単語が必要と脅された気がしますがアレは何だったんでしょうか。優秀なネイティブが2万だとしたら、とりあえず読んで書くだけの授業英語に8000も必要ないと思うんですがどうなんでしょう。英会話とかだったらきっともっと少なくて済みますよね。

タグ:Nature 雑誌
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2006年03月22日

書評『人生が変わる「朝5分」速読勉強法』

人生が変わる「朝5分」速読勉強法 講談社プラスアルファ文庫 高島徹治(著)

「速読」という言葉にはどうしても胡散臭さが伴う。だってほら、いくら何でも文庫を一冊何分とかで読めるはずが無い。世に盛る速読術はその辺を「右脳を鍛えれば云々、右脳の能力で云々」という右脳神話により上手いこと(?)説明している。

右脳速読法並に胡散臭いタイトルのこの本はそうした「右脳速読法」に対し痛烈な批判をしている。実に30ページ近くを割いて。僕としてはこういうノリは大好きなので別に良いんだけど。

この本は「速読法」を紹介しているというより、文章を早く読み、理解するコツを解説している。曰く「スキーマ」が重要らしい。「スキーマ」とは認識の枠組みのようなもので、文章の内容に対する予備的な知識、認識が深く多いほどその文章は早く読めると。人物関係を把握した漫画は10分くらいで読めちゃうのと同じようなものでしょうか。あとはそれに加えて一般的な流し読みの手法、例えばブロック読みだとかスキャンリーディングだとかの解説をしている。スキーマがちゃんとしていて初めてこういう技法も使えるという事のようです。専門書の速読は無理(スキーマが無いから)って言ってるし。あと英語の速読に関してもちらっと触れてます。「実は英語は読めている」という話にはちょっとはっとした。そういや読めてるのかもしれない。

でも正直速読法の話はあまり役立ちませんでした。どうも計ってみたらすでに1200文字/minくらいのスピードがあったらしくて。えーところの文系の大学生なんかだともうちょいあるらしいですが別にえーところの文系の大学生じゃないので十分です。

役立ったと思うのは後半に書かれている「三回転学習法」というヤツです。ネーミングは胡散臭いですが結構実用的です。やってるのは「流し読み→マーキング→拾い読み」というだけのことなのですが、これだけで本一冊を一つの構造体として理解することが出来ます。枠組みから理解していく感じなので途中で投げ出してもそれなりの知識が残るし、前何やったっけ?とか迷子になることもない。まーでも問題集とかには使えない方法ですが。

ネーミングは胡散臭さ全開のこの本ですが、内容はちゃんとしてます。何よりこの本自体が読みやすい文章で書かれているので速読の訓練になります。この本を読むと新聞とかが読みたくなりますよ。

タグ: 速読
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2006年02月26日

Nature

大学生だったらNatureぐらい読んでないとな。っとかそんな理由でNatureの入手を目論んでみたのですがコレが意外に難しい。

まず通販はNature Japanでしか個人単位の購入は無理っぽい。 Amazon楽天ブックスもダメ。 で、近くの比較的大きめの本屋に見に行くも取り扱ってない。名古屋まで行けば取り扱い店舗があるようですが。

結局Nature Japanから注文するしか無いという結論に至り、そして価格表を見て愕然とする。 一冊購入だと¥4,790。週刊誌なのに…。 完全にバックナンバー用の価格設定ですネ。 月の定期購読は学生なら¥2,980だけど口座引き落とししかない。 さすがに¥33,080払って年間購読するのは戸惑う。

で、現実的な妥協案としてNatureダイジェストを一冊注文。 NatureダイジェストってのはNatureの中から選りすぐった記事を日本語で編集しなおしたものが掲載されている月刊誌。 内容は流石に面白い。何言ってんだか分からなくても興味を惹かれる内容となっている。 例えば「物質と反物質から分子ができた?」という記事があるが、もう表題だけでワクワクしてくるではないかー。 コレなら本誌を定期購読しても良いかもしれません。

ちなみにNatureは学術誌ではあるけれど一般の商業誌でもある。要するにその辺の雑誌と同じなワケで、故に敷居もそれほど高く無い。 投稿規定では「英語を母国語としない読者にも読みやすいこと」「他の分野を専門とする者にも理解しやすいこと」などを定めており、また科学的に重要であるか否かよりも多くの人が興味を持てる論文が採用されるのも特徴。 要するに一般の人でも読みやすく楽しめるように作ってあるわけですよ。

ところでうちの大学は法人購読をしているのでネット上でならタダで読み放題なのです。 でもこれは学内のネットワークを介していないとダメという微妙な代物。 家で読みたいのー。お外に出たくないのー。 という事で大学内にこっそり串鯖設置してこっそり使うのはどうかという話を知人としていたのです。 我が大学の学内ネットワークをゴニョゴニョ出来る立場にある方、是非ご一報を!

定期購読すっか。

タグ:Nature
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2006年02月13日

書評『眠りを減らせ!』

眠りを減らせ! 知的生きかた文庫 エベレット マットリン (著), 竹村 健一 (翻訳)

眠りを減らすという一風代わったアプローチの本だが、タイトルに興味を惹かれて読もうと考える人は前半はすっとばすべきだ。何せ具体例のオンパレードでいつまでたっても本題に入らないのだ。6章あたりから読み始めるのが良いだろう。

ちなみに6章以前で言及されているのは主に睡眠の正体についてと、それが本当に人間にとって必要なのかということだ。ここでは、睡眠を強制的に奪った場合の反応や、もとから睡眠時間の少ないケースなどの例を挙げるなどにより、睡眠は実はさほど重要ではない、少なくとも長時間眠ったほうが良いなどということは何の根拠もないという結論を導いている。なかなか衝撃的である。べつに読んで損するものでもないので、さっさと本題に入りたいという人意外は読んでみる価値はあるだろう。

本題は6章以降。 この本はまず、効率的な深い睡眠をとる方法を論じる。別段特別な事が書かれているわけではない。主な主張は眠りにつくという行為を条件付けするのが重要、というものであるが、その手の分野に興味がある人ならまあ当たり前の話だろう。とはいえ、具体的な方法もいくつか挙げられているし、そういった話を聞いたことが無い、いつも我流の入眠法をやっているなどという人は読んでおいて損はない。寝る前の何気ない行為が安眠を妨げているということはよくあるのだ。

で、本論の本論、眠りの減らし方について具体的方法が述べられるのは一番最後の8章になる。 内容は実に簡単なもので、睡眠時間と気分の記録を毎日とり、三十分ずつ段階的に、各段階に 年齢にもよるがおよそ3週間の慣らし期間を設けて睡眠時間を減らしていくというものである。こんな単純な事で誰でも2時間は睡眠時間を短縮できるとこの本は豪語するのだ。 私も以前この本を参考に睡眠時間の削減に挑戦してみた。 結果として今は睡眠時間が7時間になっている。もとからこれくらいが好適だったのかもしれない。昔のように8時間睡眠をとると逆にだるさを感じる。私のように根気がないと2時間短縮などなかなかできたものではないが、それでも自分の本来の好適な睡眠時間を知ることが出来たというのはなかなかの成果だと思う。

実際に睡眠を減らすかどうかは別として、この本に書かれている様々な具体例、集中的な睡眠をとる方法などは睡眠に対するイメージを多かれ少なかれ変える。睡眠時間を減らしてみたいという人はもちろん興味を惹かれるだろうが、逆に自分は睡眠不足なのではないだろうかと思っている人にも有用な本だろう。

ただ注意すべきは原文が書かれたのが実に25年以上前だということである。現代の科学と照らし合わせてみて、間違いが出てこないとは言い切れない。有用な本ではあるが内容を過信しすぎないで読むことが大切だ。

タグ: 睡眠
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書評『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 光文社新書 山田 真哉 (著)

実はさおだけ屋はさおだけ屋じゃなかったんだ!
Ω ΩΩ< な、なんだってー!!

この本は会計学の本だが、そのアプローチは生態学に近い。 さおだけ屋のほかに、場違いとしか思えないベッドタウンにあるフランス料理店、在庫だらけの自然食品店etc...。こうした一見おかしなものがなぜ生き延びているかを、会計学の観点から解明していく。 合間合間には当然会計学の解説が入ってくるのだが、会計学の考えをどう家庭に当てはめられるかということも解説されているので興味を尽きさせない。 例えば「チリは積もっても山にならない」という考えにははっとさせられる。毎日頑張って一日100円の節約をしても、年に一回1万円の無駄遣いをしてしまえば差し引きはパーどころかマイナスなのだと。 少し考えれば当たり前なのだが、案外気付きにくい。「たまには贅沢しても…」とか「○○代は別!」とかそんな理由で散財しているというのはよくある。 節約してるつもりなのに節約できてない気がするという人は一読の価値あり。

あと、この本は非常に読みやすい。1時間ちょっとあれば読めてしまうくらい。 もちろん、会計学の本として捉えるならばちょっと内容が薄い。本当に入門の入門といったところだろう。いわば会計学に対する興味付けといった感じ。 しかし、普通に読み物として捉えるのならば非常に興味深い内容だし、実用的でもあり、なかなかの良書だと思う。

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2006年02月12日

書評『馬鹿の壁』

バカの壁 新潮新書 養老 孟司 (著)

一時評判となっただけあってなるほどと思わされる部分は多い。ある刺激に対する人々の反応の違いを脳の中の係数という概念で説明し、その係数が適切であることが重要なのだと著者は言う。なるほどその通りで、社会に不適合の烙印を押される人間の多くはある刺激に対する反応が出過ぎか、無反応かのどちらかだ。

だが、以前ちらっと読んだときも思ったがやはり不快感を感じる。どうも言葉の端々から世代差別のようなものを感じて仕方が無い。典型的なのが大学生に対する失望。まあ、東大の教授などやっていたのだから当然と言えば当然なのだが。 どうもこう「お前ら」とか括られると反射的に腹が立つ。そんなことは誰でもやってるんだろうけど。 なんつーか全体的に配慮が足りないし、詰めが甘い。細かいところを見れば揚げ足を取ることだってできる。

やはり原因は独白をそのまま文章にしたというところだろうか。 プラトンは「書き言葉は話し言葉に劣る」などと言っていたが、話し言葉はやはり話されてこそ書き言葉に勝るものだ。文字に変換された話し言葉には、相手の表情も、息遣いも、身振り手振りも含まれない。だから結局、配慮と詰めの足りない書き言葉に見えてしまう。やはり文字で表す以上、それは緻密に計算された書き言葉であってほしいと私は思う。 これから読むという人は、この本は基本的に養老孟司の思いつきなのだと、寝言もふんだんに含まれているのだと、ちょっとむかつくのは仕様ですよということを念頭において読んでもらいたい。

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2006年02月11日

書評『国家の品格』

国家の品格 新潮新書 藤原正彦 (著)

講演記録を元に加筆修正を加え出版されたもの故論調に軽さが見られるのですが、内容はなかなか筋の通った事を言っています。逆に、「当たり前」の事を言っているだけだとも言えるのですが。

タイトルに「国家」だとか「愛国」だとかが入っていると、すぐに国粋主義だとかなんだとか言われそうな昨今でありますが、当然の事ながらこの本はそうしたことを扇動しようとしているわけではありません。ナショナリズムについては明確に批判がなされています。 国を愛してますか?と質問をすると怪訝な顔をする人でも、里は好きですか?と尋ねれば多くの人が首を縦に振ることでしょう。それは本来愛国心と呼ばれて然るものなのでしょうが、筆者は手垢にまみれた「愛国心」の代わりに、「祖国愛」という言葉を用います。ナショナリストではなくパトリオットであれと言うのです。 要は近代合理主義の批判をし、道徳心や武士道の大切さを訴えるというその辺のおっさんの説教の様な内容なのですが、そこにある種の理屈と正当性が付け加えられている。その点において、この本はその辺のおっさんの説教より読む価値があります。

本当に当たり前といえば当たり前の話が展開されるのですが、しかしある種の爽快感を感じます。 人間ってのは自分の言いたいことを誰かに代弁してもらうのが大好きな生き物ですから。 やはり内容がやや荒削りである感は否めないのですが、そのことを認識した上でちゃんと警戒しながら本を読める人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。

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2006年01月06日

鏡の国のアリス

世の中には赤ん坊なみの常識もないようなやつらもいるんだからな!
「鏡の国のアリス」よりハンプティ・ダンプティの一言

世の頭のいい学者さんたちは、症候群だとか学説だとかの名前を童話の一節になぞらえてつけることがお好きなようですから、童話だとか文学作品だとかの有名どころはなんとなく覚えておくと便利なような気がしないでもありません。 例えば有名どころでは「不思議の国のアリス症候群」。自分の体や周囲のものが大きくなったり小さくなったりしたように感じるとか時間の感覚がおかしくなるだとか、そんな症状です。あと「チェシャ猫症候群」なんてのもあるとか無いとか。症状は知りません。(調べましたよ3/11

ところで
「俺、実は不思議の国のアリス症候群なんだ…」
なんてカミングアウト、絶対にできませんよね。

他には理想の女性をあまりに完璧に描きすぎて現実とのギャップを受け入れられない男性を「シンデレラ症候群」と呼んだり、大人の仲間入りができない大人を「ピーターパンシンドローム」と呼んだり、あるいは「かぐや姫コンプレックス」、「白雪姫コンプレックス」、「青い鳥症候群」、かの有名な「サザエさんシンドローム」などなど童話になぞらえた症例の名前はいろいろです。

あと生物学なんかだと、たえず変化しつづける環境の中で現状を維持するには自らも変化しつづけなければならない、という生物の進化を説明する仮説を、「鏡の国のアリス」に登場する「赤の女王」になぞらえて「赤の女王仮説」なんて呼んだり。 この「鏡の国のアリス」は頭よさげな人々には大人気なんですが、でも日本なんかだと「不思議の国のアリス」のイメージが強すぎて割とマイナーだったりします。 僕も「不思議の国のアリス」についてはなんとなしに知ってましたが(原作じゃなくてディズニーアニメだけど)、「鏡の国のアリス」についてはさっぱり。

でー、ちょっと検索したら日本語訳が出てきたので半日ほどまったりと読んでました。

アリスは実によくできたお子さんだと思います。7つ半だとはとても思えない。 教育って大切ですよね。 感想はそんなとこ。他にももちろんあるけどいいや。

これは人の感想なんか聞かずとりあえず読むべきです。ロリコンおじさんルイス・キャロルが子供たちを喜ばせようと書いた物語ですから、僕ら子供は余計な「どうして?」を考えず、素直に喜んで読むべきなんです。

不思議の国のほうの原作もこのサイトにあるからまたあとで読もうっと。

posted by Rion778 at 23:19 | 岐阜 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本,読書,読み物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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